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購入前・購入後の金銭出入

 まあ、そんなに難しいことではない。現在賃貸に住んでいる場合、その家賃でちゃんと黒字ならば、将来的になんとかなるだろう、というだけの話。都内だと家賃10万円というともはや安い方だから、下手をすると家を買った方が貯蓄額が増えたりする。

 実際には、家賃を全部ローンに振り向けてはいけない。家を買うとローン以外にいろいろ費用がかかるからだ。大きなのは固定資産税。土地・家屋の評価額の1.4%という、むちゃくちゃ大きい税金である。書いてあるとおりに受け取れば、土地が借り物でも2000万円の家なら年28万円という負担がのしかかってくる。月2万円以上。実際にはよく分からない軽減率が適用される。家屋の場合には120平方メートル(=約36坪)までの部分が新築後3年間(3階建以上の耐火建築については5年間)は1/2で評価される。

 固定資産税は土地にもかかるが、住宅地の場合はいろいろ優遇がある。まず、土地評価額は地価公示価格等の7割程度。住宅用地の場合は200平方メートル(=約60坪)以下の部分について評価額を1/6にできる。それ以上の部分については1/3。あまりに地価が暴騰している場合にはさらに調整率がかかる。

 建物の評価額は年を追うごとに下がるのが普通だから、建物の固定資産税はだんだん安くなっていく。けど、土地の場合は上がることもある(!!)。他にも、都市計画税(土地に対する軽減率1/3あるいは2/3、家屋に対しては軽減措置なしで、税率0.3%)というのもある。ふぅ。

 一戸建賃貸に入っていた人はあまり差が出ないはずだが、集合賃貸に入っていた人は光熱費が余計にかかることも考えなければならない。特に、水道光熱費の一部が家賃に含まれていたような人は注意しないと大変なことになる。都市ガス→プロパンという変更も結構痛いらしい。

 また、家に電話魔さんがいらっしゃる場合は、よく通話するエリアから離れると電話代がいきなり万の桁に突入したりするのでこれも注意しないといけない。ヘタをすると携帯の方が安いこともある。ちなみに、うちの姉は彼氏が東京→大阪に転勤になったとたん、電話代(結婚前だったから親負担)が万の桁をも突破したことがある(当然怒られた)。こうなるとローンより高いぞぉ〜。

 あと、長く住み続けるのなら住宅メンテナンス費用も計上しておいた方がよい。10年に一度、100万円かけてメンテするなら年10万円。以上、全部ひっくるめて月に2〜3万円もあればよかろう。

 というわけで、家賃が月10万だった人は、月々の支払は7〜8万円程度に抑えておいた方がよい、という話。月8万円でいくら借りられるかというと、元利金等・利率2.6%で30年ローンを組んだとして2000万円。この計算ではボーナスには手を付けてないから、臨時出費はボーナスから充てましょう。これだけあれば手持ちの資金と合わせれば家を建てられるでしょう。でも土地までは無理だなぁ。

 賃貸に住んでいても、持家に住んでいても、電気製品とか壊れるときは壊れますから、あんまりギリギリまで切り詰めてローンを返そうとするのはどうかと。真夏に冷蔵庫とかクーラーとか壊れると痛いよ〜。

 ローンの残高って、資産なりに減っていくのが正しいような気もする。つまり、建物の資産価値が1000万円になったときに、ローン残高も1000万円になっているのがよいと思う。もし、引き払わなければいけなくなったとき、売れば1000万円になるので、これでローンを返せるわけだ。それよりもローン残高が少なければローンを払いすぎ、多ければそれなりに貯金がないとマズい。少ない方はいいとして、多いのは避けないと。

 定額償却なら建物の償却年数とローン年数が同じならいいわけだ。定率償却だと最初のうちはローン残高の方が多くなってしまう。この場合、ローン期間を短くするとか、償却分を他の方法で確保しないと危ないのかな。ローンを元利均等で返していると、ローン残高の減りが最初のうちはゆっくりなのでなおさらかも。

 将来、売って建て替えならいいんだが、壊して建て替えっていうのはやっぱり避けたいよなー、と思う今日この頃。