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元利均等元金均等の比較

単純に比較する

 ローンの支払方法と計算方法は分かったので、実際の支払額を計算してみる。なお、ここに挙げた数値は最後の誤差をなくすために、毎月毎月各数値を再計算しており、実際とは異なる。例えば、元利均等の11年目以降の支払額が4535円だったり、4536円だったりするのはそのせいである。正確な数値が必要な場合は各金融機関に問い合わせのこと。条件は借入額100万円・当初年利2.6%、11年目以降4.0%・30年払い。

元利均等
支払額 利息 返済額 残高 総支払額 繰上支払総額
1 初回 4,003 2,166 1,837 998,163 4,003 1,002,166
12 1 4,003 2,122 1,881 977,692 48,036 1,025,728
24 2 4,003 2,072 1,931 954,799 96,072 1,050,871
36 3 4,003 2,022 1,981 931,303 144,108 1,075,411
48 4 4,003 1,969 2,034 907,188 192,144 1,099,332
60 5 4,003 1,916 2,087 882,438 240,180 1,122,618
72 6 4,003 1,861 2,142 857,038 288,216 1,145,254
84 7 4,003 1,805 2,198 830,969 336,252 1,167,221
96 8 4,003 1,747 2,256 804,215 384,288 1,188,503
108 9 4,003 1,687 2,316 776,753 432,324 1,209,077
120 10 4,003 1,627 2,376 748,571 480,360 1,228,931
132 11 4,536 2,419 2,117 723,623 534,792 1,258,415
144 12 4,536 2,332 2,204 697,657 589,224 1,286,881
156 13 4,536 2,243 2,293 670,633 643,656 1,314,289
168 14 4,536 2,149 2,387 642,509 698,088 1,340,597
180 15 4,536 2,052 2,484 613,238 752,520 1,365,758
192 16 4,536 1,951 2,585 582,775 806,952 1,389,727
204 17 4,535 1,845 2,690 551,076 861,378 1,412,454
216 18 4,536 1,736 2,800 518,087 915,802 1,433,889
228 19 4,535 1,622 2,913 483,754 970,227 1,453,981
240 20 4,536 1,503 3,033 448,021 1,024,653 1,472,674
252 21 4,536 1,379 3,157 410,833 1,079,079 1,489,912
264 22 4,535 1,251 3,284 372,131 1,133,505 1,505,636
276 23 4,536 1,117 3,419 331,850 1,187,932 1,519,782
288 24 4,536 978 3,558 289,930 1,242,357 1,532,287
300 25 4,535 833 3,702 246,301 1,296,783 1,543,084
312 26 4,536 682 3,854 200,894 1,351,211 1,552,105
324 27 4,535 525 4,010 153,638 1,405,635 1,559,273
336 28 4,535 362 4,173 104,457 1,460,060 1,564,517
348 29 4,536 192 4,344 53,271 1,514,488 1,567,759
360 30 4,536 15 4,521 0 1,568,915 1,568,915

 年は満である。「5年」の欄には5年目の最後の支払の数字が書いてある。繰上支払総額というのは、この回の支払の後に繰上げて残高を全部返済したらいくら返すことになるか? を示しており、この表では単純に残高+総支払額になっている。実際には手数料を取られたりするので、この金額通りにはならないことが多いだろう。

 この条件だと、元利均等では3年目くらいまでは返済の半分以上は利息である。10年目では支払期間は1/3ほど過ぎているが、まだ75万円近く残っており、1/4ちょっとしか返せていない。

 次。元金均等の場合。計算の都合上、元利均等と列が入れ替えてあるので注意。

元金均等
返済額 利息 支払額 返済後残高 総支払額 繰上支払総額
1 初回 2,777 2,166 4,943 997,223 4,943 1,002,166
12 1 2,777 2,100 4,877 966,676 58,920 1,025,596
24 2 2,777 2,028 4,805 933,352 116,976 1,050,328
36 3 2,777 1,956 4,733 900,028 174,168 1,074,196
48 4 2,777 1,883 4,660 866,704 230,488 1,097,192
60 5 2,777 1,811 4,588 833,380 285,940 1,119,320
72 6 2,777 1,739 4,516 800,056 340,528 1,140,584
84 7 2,778 1,667 4,445 766,728 394,256 1,160,984
96 8 2,778 1,595 4,373 733,392 447,128 1,180,520
108 9 2,778 1,522 4,300 700,056 499,125 1,199,181
120 10 2,778 1,450 4,228 666,720 550,257 1,216,977
132 11 2,778 2,120 4,898 633,384 609,645 1,243,029
144 12 2,778 2,009 4,787 600,048 667,699 1,267,747
156 13 2,778 1,898 4,676 566,712 724,420 1,291,132
168 14 2,778 1,787 4,565 533,376 779,808 1,313,184
180 15 2,778 1,676 4,454 500,040 833,862 1,333,902
192 16 2,778 1,564 4,342 466,704 886,582 1,353,286
204 17 2,778 1,453 4,231 433,368 937,969 1,371,337
216 18 2,778 1,342 4,120 400,032 988,023 1,388,055
228 19 2,778 1,231 4,009 366,696 1,036,743 1,403,439
240 20 2,778 1,120 3,898 333,360 1,084,130 1,417,490
252 21 2,778 1,009 3,787 300,024 1,130,183 1,430,207
264 22 2,778 898 3,676 266,688 1,174,904 1,441,592
276 23 2,778 787 3,565 233,352 1,218,290 1,451,642
288 24 2,778 675 3,453 200,016 1,260,343 1,460,359
300 25 2,778 564 3,342 166,680 1,301,062 1,467,742
312 26 2,778 453 3,231 133,344 1,340,449 1,473,793
324 27 2,778 342 3,120 100,008 1,378,501 1,478,509
336 28 2,778 231 3,009 66,672 1,415,221 1,481,893
348 29 2,778 120 2,898 33,336 1,450,606 1,483,942
360 30 2,778 9 2,787 0 1,484,659 1,484,659

 元金均等の場合、利息2.6%の間はずーっと元利金等よりも負担が大きい。利息が4%になって15年目くらいに支払額が元利均等と逆転する。元本を均等に返しているわけだから、10年返し終わると元本はちゃんと1/3減って2/3になっている(誤差はあるけど)。

 さて、必要な部分を抜き出して並べてみる。ローンは破産しない限り完済するわけだから、完済額を比べてみることにする。

元利均等 元金均等 差額
支払額 繰上支払総額 支払額 繰上支払総額
1 4,003 1,025,728 4,877 1,025,596 132
2 4,003 1,050,871 4,805 1,050,328 543
3 4,003 1,075,411 4,733 1,074,196 1,215
4 4,003 1,099,332 4,660 1,097,192 2,140
5 4,003 1,122,618 4,588 1,119,320 3,298
6 4,003 1,145,254 4,516 1,140,584 4,670
7 4,003 1,167,221 4,445 1,160,984 6,237
8 4,003 1,188,503 4,373 1,180,520 7,983
9 4,003 1,209,077 4,300 1,199,181 9,896
10 4,003 1,228,931 4,228 1,216,977 11,954
11 4,536 1,258,415 4,898 1,243,029 15,386
12 4,536 1,286,881 4,787 1,267,747 19,134
13 4,536 1,314,289 4,676 1,291,132 23,157
14 4,536 1,340,597 4,565 1,313,184 27,413
15 4,536 1,365,758 4,454 1,333,902 31,856
16 4,536 1,389,727 4,342 1,353,286 36,441
17 4,535 1,412,454 4,231 1,371,337 41,117
18 4,536 1,433,889 4,120 1,388,055 45,834
19 4,535 1,453,981 4,009 1,403,439 50,542
20 4,536 1,472,674 3,898 1,417,490 55,184
21 4,536 1,489,912 3,787 1,430,207 59,705
22 4,535 1,505,636 3,676 1,441,592 64,044
23 4,536 1,519,782 3,565 1,451,642 68,140
24 4,536 1,532,287 3,453 1,460,359 71,928
25 4,535 1,543,084 3,342 1,467,742 75,342
26 4,536 1,552,105 3,231 1,473,793 78,312
27 4,535 1,559,273 3,120 1,478,509 80,764
28 4,535 1,564,517 3,009 1,481,893 82,624
29 4,536 1,567,759 2,898 1,483,942 83,817
30 4,536 1,568,915 2,787 1,484,659 84,256

 利率が上がる直前に完済すると、差額は1万2千円程度になる。たいしたことないと思うかもしれないが、これは100万円の場合の話である。普通は一桁多く、1000万円単位で借りるだろう。そうすると、差額も一桁多くなって、12万円くらいになる。もし、このまま最後まで行くと、100万円あたり8万4千円、つまり、1000万円だと84万円にもなる。

住宅ローン控除

 ただし、この計算には落とし穴がある。元金均等の方が返済後残高が全体に小さくなるため、住宅ローン控除の額が減ってしまうのである。実際に計算してみる。支払いを始めて何回目に12/31がやって来るかによって結果は違ってくるが、ここでは最悪のパターン、12回支払った後に年末がやってくるとして計算している。

年(回) 元利均等 元金均等
ローン残高 控除額 控除額累計 ローン残高 控除額 控除額累計
1(12) 977,692 9,776 9,776 966,676 9,666 9,666
2(24) 954,799 9,547 19,323 933,352 9,333 18,999
3(36) 931,303 9,313 28,636 900,028 9,000 27,999
4(48) 907,188 9,071 37,707 866,704 8,667 36,666
5(60) 882,438 8,824 46,531 833,380 8,333 44,999
6(72) 857,038 8,570 55,101 800,056 8,000 52,999
7(84) 830,969 8,309 63,410 766,728 7,667 60,666
8(96) 804,215 8,042 71,452 733,392 7,333 67,999
9(108) 776,753 7,767 79,219 700,056 7,000 74,999
10(120) 748,571 7,485 86,704 666,720 6,667 81,666

 住宅ローン控除は年末ローン残高の1%だから、利率が1%下がったのとほぼ同じになり、その分の差額が圧縮される。この例では元利均等が86,704円戻るのに対し、元金均等では81,666円しか戻らない。元利均等の方が5,038円戻る額が多い。つまり、10年で繰上完済した場合の差額は6,916円まで縮まることになる。 納得いかない用途の多い税金を少しでも減らすか、税金を多少余計に払っても総支払額を少なくするか、なかなか迷えるところではある(笑)。

 なお、住宅ローン控除を使う場合、前年の源泉徴収表を見て、自分の年税額がいくらかをちゃんと確認しておくこと。税額控除は払った税金を返してもらうのであって利子補給ではないので、払った以上のものが返ってくることはない。ローン残高の1%が返ってくるのだから、払っている税金の100倍以上のローン残高部分については無力である。税金が10万円の人は、1000万円以上の部分についてはどう転んでも戻ってこない。他にもいろいろ要件があるので注意。家を建てた直後に家族もろとも引っ越すと、この控除は受けられないので、転勤族の方は特に注意。

 住宅ローン控除を有効に使うためには、年の終わりの方に借り始め(ちゃんと建てた家に住んでることが要件にあるので注意)、10回適用してもらった直後に全額繰上返済してしまうのがよかろう。公庫の利率も11年目から上がるため、10年はとにかく倹約生活を送って、10年完済を夢見ることにしよう。

貯蓄すると?

 元金均等より元利均等の方が支払額が少なく、所得税控除額も多いから、その分貯蓄が増やせることになる。では住宅ローンを払いながら貯蓄もしたらどうなるだろうか? ここでは、すってんてんから10年後に繰上返済することを目指して貯蓄する場合を考える。収入は元利均等元金均等とも同じで、ローンを支払った残りと、所得税を控除された分を貯蓄に回し、月0.1%複利(年1.2066%複利)で運用したとする。

 元利均等の10年返済後の借入金残高が748,541円、所得税控除の総額が86,704円なので、差額661,837を120で割って、毎月5515円程度貯蓄する必要がある。これに元利均等の毎回の支払額4003円を足すと、毎月9518円程度の収入が必要になる。ここでは、収入1万円で計算してみる。

回/月 元利均等 元金均等
支払額 貯蓄額 税控除額 貯蓄残高 支払額 貯蓄額 税控除額 貯蓄残高
1回 4,003 5,997 - 5,997 4,943 5,057 - 5,057
2回 4,003 5,997 - 11,999 4,937 5,063 - 10,125
3回 4,003 5,997 - 18,007 4,931 5,069 - 15,204
4回 4,003 5,997 - 24,022 4,925 5,075 - 20,294
5回 4,003 5,997 - 30,043 4,919 5,081 - 25,395
6回 4,003 5,997 - 36,070 4,913 5,087 - 30,507
7回 4,003 5,997 - 42,103 4,907 5,093 - 35,630
8回 4,003 5,997 - 48,142 4,901 5,099 - 40,764
9回 4,003 5,997 - 54,187 4,895 5,105 - 45,909
10回 4,003 5,997 - 60,238 4,889 5,111 - 51,065
11回 4,003 5,997 - 66,295 4,883 5,117 - 56,233
12回/1年 4,003 5,997 9,776 82,134 4,877 5,123 9,666 71,078
24回/2年 4,003 5,997 9,547 165,028 4,805 5,195 9,333 143,547
36回/3年 4,003 5,997 9,313 248,688 4,733 5,267 9,000 217,426
48回/4年 4,003 5,997 9,071 333,114 4,660 5,340 8,667 292,740
60回/5年 4,003 5,997 8,824 418,313 4,588 5,412 8,333 369,503
72回/6年 4,003 5,997 8,570 504,286 4,516 5,484 8,000 447,728
84回/7年 4,003 5,997 8,309 591,035 4,445 5,555 7,667 527,427
96回/8年 4,003 5,997 8,042 678,564 4,373 5,627 7,333 608,615
108回/9年 4,003 5,997 7,767 766,874 4,300 5,700 7,000 691,329
120回/10年 4,003 5,997 7,485 855,966 4,228 5,772 6,667 775,578

 ということで、10年経つと貯蓄に8万円以上の差が出てくる。10年経過後のローン残高は元利均等が748,571円、元金均等が666,720円なので、ここで繰上返済すると、貯蓄の残りは元利均等が107,395円、元金均等が108,858円となり、多少元金均等の方が多くなるが、その差は1463円しかない。たとえ1000万円借りても貯蓄残高は10年で14,630円しか差が出ない

 問題は「年1.2%で運用できるか?」に尽きるが、2001年9月現在、たとえば野村証券の公社債投資信託で1万口あたり100円、つまり、1%の利息が付く(解約時に手数料取られるけど)。景気動向にもよるが、不可能な数字ではないだろう。逆に、運用利回りが上がるようならば、元利均等の方が最終的に「得」という事もあり得る。

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