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MODIFICATION 〜恐怖の改造〜

 当時のPCは汎用のICを使って構成されていたため、改造が比較的簡単でした。不満があれば自分で改造する。それが当たり前の時代でした(?)。ということで、MZ-80K2Eに対して行った、数々の改造を見ていただきましょう。

 なお、このページを参考にしてPCに手を加えて「動かなくなった!」と言われてもワタシゃなんの責任も負いませんので念のため。改造は自己責任で

 リセットスイッチ  (19 Oct 2001)
倍速基板 (19 Apr 2004)

改造巻の1 リセットスイッチ ↑戻 ★
Reset SW
リセットスイッチは自分でハンダ付けする

 電源スイッチはどのPCにも付いていますが、リセットスイッチはメーカーによって態度が分かれるところです。信頼性が十分高ければ必要ないでしょうが、よくずっこける場合は必要でしょう。Windowsマシンには絶対必要だと思う。MZ-80K2Eの場合は標準ではついていませんでした。標準添付のBASIC SP-5030の信頼性は十分高く、この選択はあながち間違ったものではないと思います。

 しかし、自分でマシン語のプログラムを作り始めると、ちょっとした打ち間違いなどで暴走することは日常茶飯事となるため、リセットスイッチが欲しくなってきます。こうしたユーザーの心理を見透かしてか、部品は実装されていないものの、リセットスイッチ用のパターンが既に入っていたりします。あとは部品を買ってきてハンダ付けするだけ。一ヶ所パターンを切り離す必要がありますが、ちゃんと(?)ハンダブリッジになっていて、ハンダ吸い取り器で「しゅぽ」っとやれば完成です。

 このリセットスイッチの欠点は、「基板直付け」のためふたを開けないとボタンが押せないことでしょうか。そのため、多くのユーザーは配線をのばして外へスイッチを出すか、あるいは本体ふたのネジを止めないでおくか、いずれかの道を選択したようです。ずぼらなワタシは当然後者。

改造巻の2 倍速基板 ↑戻 ★

メイン基板の上に紙を敷き、その上に載せただけの倍速基板。紙がずれるとショートして暴走するため、移動後は必ず確認しなければならない。

 まあ、今風にいえばオーバークロックですか。MZ-80Kシリーズは2MHzで動いていましたが、当時は4MHz機が主流で多少見劣りするものでした。それでも、同梱のBASIC SP-5030は4MHzのPC-8001上で動くN-BASICとほぼ同じ速度を叩き出していました。ということは、クロックを上げてやればめちゃ早くなる、ということです。MZ-80K2Eに使われているCPUはZ80無印ですから上限が2.5MHzです。本来4MHzにするにはZ80Aに取り替える必要がありますが、4MHzは2.5MHzの6割増ですから、運がよければマージンの範囲内に入ってちゃんと(?)動くことが期待されます。ということで、倍クロック改造したユーザーは少なくありません。

 簡単にはメイン基板の水晶を倍にしてしまえばおしまいなのですが、そうすると、時計やディスプレイなどのタイミング系も倍になってしまって都合が悪いので、普通はCPUの近くでパターンを切って、CPUのクロックのみ倍にする、ということが行われていました。MZ-80K系はテープのボーレートをソフトタイミングで作っていますので、クロックを倍にするとボーレートも勝手に倍になります。うれしいような気もしますが、実際には同梱のテープが読めなくなってしまうのと、テープデッキがついてこれなくて(定数が1200ボー用に追い込まれているものと思われる)リードエラーが頻発するので、どうしても2MHz・4MHz切り替えにしなければなりません。それも動作中に。

 動作中に切り替えるため、適当にスイッチで2MHz/4MHzを切り替えたのでは、CPUのクロック端子に中途半端な信号が入って暴走してしまいます。そこで、同期のために右の写真のような基板を付けるわけです。簡単に言うと、2MHzと4MHzの信号が両方LとかになったときにFFを叩いて切り替える回路になっています。この回路は工学社のI/O合本「MZ-80活用研究」に載っていたものです。

 でも回路が間違っていたか、作り方がいいかげんなせいか、スイッチが悪いのか分かりませんが、切り替え時によく飛びました。BASIC SP-5030を長い時間掛けて読み込んだ後スイッチを切り替えるときは結構ドキドキものでした。そのうち、モニタROMもSP-1002からI/Oで頒布していた武蔵野マイコンクラブのMZ-MONITOR Ver4.3に変更し、このモニタROMだとワーク領域の2バイトを書き換えるとボーレートを自由に変更できることに気づいたので、常に4MHzで動作させるようになってしまいました(笑)。ちなみに、電源を入れたら以下のおまじないを唱えておく必要があります。

1035 4C 32

 2Dのフロッピーディスクを使う際には最初っから4MHzで動かすことが必須で、自作I/F(そのうち書きます)にはIPL(Initial Program Loader)用のROMを載せず、テープからブート(ほんとにブートストラップだな)していたので、以後このおまじないは必須となりました。

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$Id: modifymz.htm,v 1.3 2008/06/09 12:13:12 you Exp $